溶血性貧血は障害年金の対象?認定基準と申請のポイント
溶血性貧血と診断され、治療を続けても強い疲労感や息切れがあり、仕事や家事を思うようにこなせないと、障害年金の対象になるのか気になる方もいるでしょう。
溶血性貧血は障害年金の認定基準に明記されている病気ですが、病名や一度の検査結果だけで受給が決まるわけではありません。
そこで、今回は溶血性貧血による障害年金の認定基準や等級の目安、申請時に押さえておきたいポイントを解説します。
溶血性貧血は障害年金の対象になる?
溶血性貧血は認定基準に含まれる疾患
溶血性貧血は、赤血球が通常よりも早く壊されることで貧血を引き起こす病気の総称です。
自己免疫性溶血性貧血など複数の種類があり、原因や症状の現れ方、治療経過は人によって異なります。
日本年金機構が公開している障害認定基準では、溶血性貧血は「血液・造血器疾患による障害」のうち、赤血球系・造血不全疾患に分類されています。
そのため、溶血性貧血によって一定以上の障害が生じ、制度上の要件を満たしている場合は、障害年金の対象となる可能性があります。
ただし、診断されたことや治療を受けていることだけで受給が決まるわけではありません。
自覚症状、検査成績、治療経過、日常生活への影響などを総合的に確認し、障害の程度が判断されます。
病状が長期にわたり、生活や労働にどの程度の制限が生じているかが重要です。
日常生活に影響する主な症状
溶血性貧血では、赤血球の減少によって全身に酸素が行き渡りにくくなり、疲労感、動悸、息切れ、めまいなどが現れることがあります。
赤血球が壊されることに伴い、皮膚や白目が黄色くなる黄疸が生じる場合もあります。
こうした症状が続くと、少し歩いただけで休憩が必要になったり、買い物や掃除などの家事を終えるまでに時間がかかったりすることがあります。
通勤や階段の昇降が負担になり、以前と同じ働き方を続けられなくなる方もいるでしょう。
また、症状が日によって変動する場合は、診察時に比較的体調がよくても、普段の生活では大きな制限を受けている可能性があります。
そのため、調子のよい日だけでなく、症状が強いときの状態や、活動後に必要となる休息についても把握しておくことが大切です。
初診日に応じて変わる年金の種類
障害年金には、障害基礎年金と障害厚生年金があります。
原則として、障害の原因となった病気について初めて医師の診療を受けた日を「初診日」といい、その時点の年金加入状況によって請求する年金の種類が変わります。
障害基礎年金は1級と2級が対象です。
国民年金加入期間中や20歳前などに初診日がある場合が該当します。
一方、厚生年金加入期間中に初診日がある場合は、障害厚生年金の対象となり、1級から3級までが設けられています。
1級または2級に該当するときは、障害基礎年金も併せて支給される仕組みです。
この違いにより、同じ程度の症状でも請求できる年金が異なる場合があります。
特に3級は障害厚生年金にのみ設けられているため、初診日の確認が重要になります。

障害等級を左右する判断材料
血液検査と臨床所見を組み合わせる
溶血性貧血の認定では、赤血球系・造血不全疾患に関する臨床所見と検査所見が判断材料になります。
臨床所見では貧血の程度や輸血の必要性などを確認し、検査所見ではヘモグロビン濃度などの数値を評価します。
例えば、認定基準に示されたヘモグロビン濃度の目安は次のとおりです。
・7.0g/dL未満:検査所見のⅠ区分
・7.0g/dL以上9.0g/dL未満:検査所見のⅡ区分
・9.0g/dL以上10.0g/dL未満:検査所見のⅢ区分
これらは検査所見の区分を示す数値であり、そのまま障害等級が決まるわけではありません。
臨床所見や一般状態の区分なども組み合わせて評価されます。
また、ヘモグロビン濃度以外にも、網赤血球数や白血球数、血小板数などが認定基準に示されています。
個々の病態によって必要な検査や所見は異なるため、主治医が把握している検査結果と病状を総合的に確認することが大切です。
等級ごとの生活・就労の目安
血液・造血器疾患の障害認定では、一般状態区分表を用いて日常生活や活動能力の程度も確認します。
1級は、日常生活の身の回りのこともできず、常に介助を必要とし、終日就床を強いられるような状態が目安です。
2級は、歩行や身の回りのことはできても軽労働が難しい状態や、しばしば介助が必要で日中の半分以上を寝て過ごす状態などが目安になります。
3級は、肉体労働に制限があるものの軽い家事や座業はできる状態や、軽労働が難しく日中の半分以上は起きて過ごしている状態などが目安です。
ただし、一般状態だけで等級が決定されるものではありません。
臨床所見や検査所見、治療経過などを含めて総合的に判断されます。
また、働いているという理由だけで対象外になるわけではありません。
勤務時間を短縮している、身体的負担の少ない業務に変更している、欠勤が増えているなど、実際の就労状況を具体的に伝えることが重要です。
治療前後の状態や合併症も確認される
溶血性貧血では、治療によって血液検査の数値が変動することがあります。
障害認定基準では、輸血や補充療法によって検査数値が一時的に改善する場合、治療前の検査成績に基づいて判断することが示されています。
そのため、検査結果が改善している時期だけを見て、障害の程度を判断することは適切ではありません。
症状が強かった時期の検査結果や、その後の経過を確認する必要があります。
また、薬物療法による症状の変化や合併症なども評価の対象です。
治療を受けながら生活している場合は、治療内容だけでなく、治療後も残っている症状や生活上の制限を把握しておくとよいでしょう。
入院や輸血を繰り返している場合は、その頻度や期間も病状を理解するための情報になります。
受診記録や検査結果を時系列で整理しておくことで、主治医へ経過を説明する際にも役立ちます。

請求手続きはどのように進める
初診日と保険料納付要件を整理する
障害年金の請求では、最初に初診日を確認します。
溶血性貧血と診断された日が、必ずしも初診日になるとは限りません。
例えば、診断が確定する前に、貧血や強い疲労感などで別の医療機関を受診していた場合、その受診が初診日に関係することがあります。
健康診断で異常を指摘された日と、実際に医師の診療を受けた日も区別する必要があります。
初診時の医療機関と現在の医療機関が異なる場合は、原則として受診状況等証明書などによって初診日を確認します。
以前の医療機関名や受診時期、紹介状の有無などを整理しておきましょう。
また、原則として初診日の前日時点で、所定の保険料納付要件を満たしている必要があります。
具体的には、対象となる加入期間の3分の2以上が保険料納付済期間または免除期間であることなどが求められます。
一定の条件を満たす場合には、直近1年間に未納がないことによる特例もあります。
なお、20歳前の年金未加入期間に初診日がある場合は、保険料納付要件は不要です。
診断書と申立書で生活状況を伝える
溶血性貧血による障害年金の請求では、一般的に「血液・造血器・その他の障害用」の診断書を使用します。
診断書には、病名や検査結果だけでなく、症状、治療内容、一般状態なども記載されます。
医師へ作成を依頼する際は、普段の困りごとを具体的に伝えることが大切です。
例えば、何分程度歩くと息切れが生じるのか、家事の途中でどれくらい休息が必要なのか、外出に付き添いが必要なのかなどを整理すると、生活状況を説明しやすくなります。
また、病歴・就労状況等申立書では、発病から現在までの経過や、生活・仕事への影響を記載します。
症状が悪化した時期、入院や治療の経過、勤務形態の変更などを時系列で整理しましょう。
診断書と申立書は、それぞれ異なる役割を持つ書類です。
医師が把握している病状と、実際の生活状況に食い違いが生じないよう、日頃から症状や困りごとを伝えておくことが重要です。
請求時期を見極めて専門家へ相談する
障害年金は、原則として初診日から1年6か月を経過した障害認定日時点の状態によって請求する方法があります。
障害認定日時点では等級に該当しなかった場合でも、その後に症状が悪化したときは、事後重症による請求ができる可能性があります。
事後重症による請求では、原則として65歳の誕生日の前々日までに請求書を提出する必要があります。
支給対象となるのは請求日の翌月分からのため、病状が悪化している場合は請求時期にも注意が必要です。
一方、障害認定日時点の状態に基づいて請求する場合は、当時の診断書や診療記録が重要になります。
請求方法によって必要な診断書の対象時期が異なるため、書類を依頼する前に確認しておくとよいでしょう。
私たち湘南・藤沢障害年金サポートでは、初診日や受給要件の確認、診断書の記載内容に関する助言・点検、病歴・就労状況等申立書の作成など、障害年金の裁定請求をサポートしています。
ご契約までの相談は無料で、LINE相談や1分間無料受給判定もご利用いただけます。
藤沢市を中心にご相談を受け付けており、遠方からのお問い合わせも可能です。
溶血性貧血による生活や仕事への影響が続き、申請できるか判断に迷っている方は、お気軽にご相談ください。
まとめ
溶血性貧血は、血液・造血器疾患として障害年金の認定対象に含まれています。
ただし、病名だけで受給が決まるわけではなく、検査成績や臨床所見、治療経過、日常生活・就労への影響などが総合的に判断されます。
申請を検討する際は、初診日の確認とともに、これまでの病状や治療経過、生活上の制限を整理することが大切です。
私たち湘南・藤沢障害年金サポートでは、お一人おひとりの状況を伺いながら、必要な手続きや書類の準備を支援しています。
溶血性貧血による障害年金について不安や疑問がある方は、まずは無料相談をご活用ください。


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