更新を迎える方へ(継続して受給したい方向け)
障害年金の更新ってなに?
今受け取っている障害年金を引き続き貰い続けるために必要となる手続きのことです。
実は障害年金には「更新制度」というものがあります。
後ほど説明いたしますが「有期認定」の障害年金の場合は一度受給が決定してもそのまま永久に貰い続けられる訳ではなく、受給が決定して大体1~5年の間に必要書類を提出する必要があるのです。
なお、更新の書類提出期限は人によって異なり、「年金証書」に記載されている日までに更新手続きをする必要があります。
どの障害や病気が対象なの?
障害年受給の対象となるのは以下の通りです。
・外部障害
眼覚、聴覚、肢体(手足など)の障害など
・精神疾患
統合失調症、うつ病、認知障害、てんかん、知的障害、発達障害など
・内部障害
呼吸器疾患、心疾患、腎疾患、肝疾患、血液・造血器疾患、糖尿病、がんなど
詳しくは表をご覧ください。
診断書による区分 主な病気・ケガの名称
眼の障害 白内障、緑内障、ブドウ膜炎、眼球委縮、癒着性角膜白斑、網膜色素変性症など
聴覚、鼻腔機能、平衡機能、咀嚼、 嚥下機能、言語機能の障害 メニエール症、感音性難聴、突発性難聴、頭部外傷、音響外傷による内耳障害、外傷性鼻科疾患、咽頭摘出術後遺症、上下顎欠損など
肢体の障害 上肢や下肢の離断または切断障害、上肢や下肢の外傷性運動障害、脳出血、脳梗塞、脳軟化症、重症筋無力症、関節リウマチ、ビュルガー病、脊髄損傷、進行性筋ジストロフィー、変形性股関節症、線維筋痛症、脳脊髄液減少症など
精神の障害 老年及び初老期認知症、その他の老年性精神病、アルコール精神病、頭蓋骨内感染に伴う精神病、統合失調症、躁うつ病、うつ病、てんかん性精神病、高次脳機能障害、知的障害、広汎性発達障害など
呼吸器疾患の障害 肺結核、じん肺、気管支喘息、慢性気管支炎、膿胸、肺線維症など
循環器疾患の障害 慢性心包炎、リウマチ性心包炎、慢性虚血性心疾患、冠状動脈硬化症、狭心症、僧帽弁閉鎖不全症、大動脈弁狭窄症、心筋梗塞、慢性心不全、拡張型心筋症、心臓ペースメーカーや植え込み除細動器(ICD)または人工弁の装着、悪性高血圧、高血圧性心疾患など
腎疾患、肝疾患、糖尿病の障害 慢性腎炎、ネフローゼ症候群、慢性糸球体腎炎、慢性腎不全、肝硬変、多発性神膿症、肝がん、糖尿病など
血液、造血器、その他の障害 がん、尿路変更術、人工肛門や、新膀胱の造設、ダンピング症候群、ヒト免疫不全ウイルス感染症(HIV)、慢性疲労症候群、脳脊髄液減少症など
ただし、風邪や全治〇ヶ月など診断され、治療を受ければ短期間で治癒するものに関しては基本的に対象外になります。
病気・ケガの原因は問われませんので、仕事上、プライベートどちらであろうとも申請が通れば、障害年金の受給が可能です。
「永久認定」と「有期認定」について
障害年金には「永久認定」と「有期認定」の2種類があります。
「永久認定」は手足の切断、人工関節置換、失明などこれ以上症状に変化がなく、生涯その状態が続くと認められたもので、これに認定された場合は生涯にわたって、障害年金を受給し続けることができます。
「有期認定」は症状が固定されない精神疾患、腎疾患、心疾患、がんなどのほとんどの病気が対象となり、時間の経過・治療により症状が変化していくため、一定期間での「更新」が必要になります。
障害年金の永久認定とは?
基本的に治療の効果が期待できないもの、症状が変動する可能性がないもの、が「永久認定」の対象となります。
手足の切断・人工関節置換・失明など、治療によって症状の改善、緩和が見込めない症状をお持ちの方については「永久認定」がなされ、以後更新をせずとも生涯障害年金の受給ができます。
ただし、もし傷病が重くなった場合は、自らその旨を伝えて支給額の増額を依頼する「改定請求」を行い、等級を上げることが可能です。
障害年金の有期認定とは?
精神疾患や、心疾患、がんなどの治療により、症状の改善、緩和の可能性のある傷病に関しては「有期認定」の対象となります。
「有期認定」が下された場合は大体1~5年の間に更新の手続きを行い、それにより、引き続き受給できるか否かの確認が行われることとなります。
更新日はどこで確認するの?
障害年金の受給が決定した際に、「年金証書」というものが送付されます。
証書の右下「障害基礎年金の障害状況」という欄の
「次回診断書提出年月」に記載されている年月が更新日ということになります。
それまでに更新の手続きをする必要があるということです。
※更新月はご自身の誕生月になります。
更新の手続きの連絡が来た!どうすればいいの?
まず今現在通院している病院の医師の診察を受けて、前回との症状の比較を行います。
この際、診察してもらうお医者様が前回と異なる場合は、前回からの流れや症状についてしっかり説明出来ないと、ご自身の症状が思ったようにうまく伝わらないということがあります。
この伝え方により、診断書の内容と実際の症状に差異が生じてしまい、結果、減額や支給停止になってしまう可能性もあるので注意が必要です。
ご自身では「症状に変化がない」と考えている場合も、伝え方がうまくいかないと「症状が緩和している」という内容の診断書になってしまうこともあります。可能な限り事細かく症状を伝え、日常の困りごとなどを説明することが大切です。
更新手続きの流れ
①年金機構から診断書の用紙が届きます
②医師に診断書の作成依頼をします
お医者様に診断書を作成していただいた後、次回診断書提出年月の末日までに
診断書の提出が必要となります。
③障害基礎年金はお住まいの市区町村役場又は年金事務所、障害厚生年金は年金事務所に書類を提出します。
最後に
このページでは障害年金の「更新」についてお伝えしました。
大切なことは、自分が「永久認定」なのか「有期認定」なのかを把握すること、「有期認定」であれば障害年金を貰い続けるためには更新があることを認識し、
必ず更新日までに適切な手続きを行うことです。
これは病院により異なりますが、医師の診断書は依頼してから書いてもらえるまでに早くて2週間、遅い場合には2~3ヶ月掛かる場合もあります。時間がかかることを想定しての早めの準備が必要です。
しかし、ご自身で全ての手順を行うには、不明点も多く「これで間違いないのだろうか?」等不安なことも多々あるかと思います。
当事務所ではそんな皆様の不安を取り除き、期限内に確実な更新のお手続きをするためのお力添えをさせて頂きます。
更新のお手続きについて、些細なことでもぜひお気軽にご相談下さいませ。