障害厚生年金と基礎年金の主な違いとは?障害等級について解説!

病気やケガによって、日常生活や仕事をする上で何らかの制約が生じた際に、経済的な支えとなる公的な年金制度が障害年金です。
この制度は、現役世代の方々も対象となり、生活の安定を目指すための大切な支援となります。
働くことが難しくなったり、収入が減少したりする状況において、生活費や医療費の負担は大きくなりがちです。
そのようなときに、継続的に受け取ることができる障害年金は、生活の基盤を支える重要な役割を果たします。
障害年金は、将来もらう老齢年金などと同じ公的年金制度の一つであり、現役世代が万が一の時に受け取れる生活を支えるための公的な仕組みです。
今回は、障害年金の基本的な仕組みや種類について解説します。

障害年金とはどのような制度か

病気やケガで生活に制約が生じた場合に支給

障害年金は、病気やケガを原因として、日常生活を送る上で支障が出たり、働くことが難しくなったりした場合に、その生活を経済的に支えるために国から支給される制度です。
所得能力の低下に対して、生活の安定を図ることを目的としており、がん、糖尿病、精神疾患など幅広い傷病が対象となり得ますが、病名だけで判断されるのではなく、障害の状態が認定基準に該当するかによって受給の可否が決まります。
そのため、同じ病名であっても症状の重さや生活への影響の程度によって、受給できるかどうかは異なります。
例えば、日常生活にほとんど支障がない場合は対象外となる一方で、軽度に見える症状でも生活や就労に大きな制限がある場合には対象となる可能性があります。

障害者手帳とは異なる基準で判定

障害年金と混同されやすいものに障害者手帳がありますが、これらは全く別の制度であり、判定基準も異なります。
障害者手帳は主に福祉サービスや支援を受けるための制度であるのに対し、障害年金は収入の補填を目的とした制度です。
そのため、障害者手帳の有無や等級が、障害年金の受給に直接影響するわけではありません。障害年金は、年金制度独自の年金制度独自の認定基準に基づいて判断されるため、手帳を持っていなくても受給できる可能性があります。
逆に、手帳を持っていても必ずしも障害年金が受給できるとは限らない点にも注意が必要です。

障害厚生年金と基礎年金の主な違い

「初診日」は制度上非常に重要な要素となる

障害年金には「障害基礎年金」と「障害厚生年金」の二種類があります。どちらの対象になるかを決めるのは「初診日」です。
初診日とは、障害の原因となった病気やケガで、初めて医師の診察を受けた日のことです。
この初診日に国民年金に加入していたら「基礎年金」、厚生年金に加入していたら「厚生年金」となります。
なお、厚生年金に加入していた場合でも、障害等級1級または2級に該当すれば障害基礎年金もあわせて支給される仕組みとなっています。
また、初診日は制度全体の起点となるため、後から変更することが難しく、証明書類の準備も重要になります。

障害等級3級と受取額の違い

両者の大きな違いは、保障の範囲と金額です。
障害基礎年金は1級・2級のみが対象ですが、障害厚生年金はより軽度の「3級」や「障害手当金」まで保障が含まれます。
また、1カ月あたりの受取額の目安は以下の通りです。

1.障害基礎年金:令和8年度時点では、2級は年額約847,300円(月割換算で約7万円程度)、1級はその約1.25倍となり、子の加算などにより金額は変動します。
2.障害厚生年金:報酬(給与)や加入期間に応じて個別に計算されるため一律の平均額はなく、等級や条件によって受給額は大きく異なります。

このように、障害厚生年金は現役時代の収入や加入期間が反映されるため、人によって受給額に大きな差が生じる点が特徴です。

障害年金の種類と受給条件

障害基礎年金は国民年金加入者が対象

主に自営業、フリーランス、専業主婦、学生などが対象です。
また、20歳前の年金に加入していない時期に初診日がある場合も、原則として障害基礎年金の対象となります。
この場合、ご本人の所得制限はありますが、保険料の納付要件は問われません。
ただし、一定以上の所得がある場合は支給停止となることがあるため、事前に確認が必要です。

障害厚生年金は厚生年金加入者が対象

会社員や公務員として勤務している方が対象です。
障害厚生年金は、基礎年金に上乗せして支給されるため、保障がより手厚くなるのが特徴です。
また、3級に該当しない軽度の障害であっても、一時金として支給される「障害手当金」が利用できる場合があります。

受給のために必要な3つの要件

障害年金を受け取るには、以下の要件を満たしている必要があります。

1.初診日要件:初診日に公的年金制度の被保険者である、または制度上対象となる期間(20歳前や60歳以上65歳未満で国内在住など)に該当していること。
2.保険料納付要件:初診日の前日時点で、加入期間のうち一定割合(原則として3分の2以上)で保険料を納付または免除されていること(※20歳前初診などは除く)。
3.障害認定日要件:障害認定日(原則として初診日から1年6ヶ月後)またはその後において、障害の状態が国の定める等級基準に該当していること。

これらの要件は複雑であるため、自分で判断するのが難しい場合も多く、専門家に相談することでスムーズに確認できることがあります。

まとめ

障害年金は、病気やケガで生活や仕事が制限された際、ご自身とご家族を守るための大切な権利です。
しかし、ご自身が受給要件(特に保険料の納付状況など)を満たしているかを確認し、複雑な書類を揃えるのは容易ではありません。
また、申請の過程では、医師との連携や書類の記載内容が結果に大きく影響するため、適切な準備と正確な情報整理が重要となります。

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