パーキンソン病で障害年金は申請できる?
【専門家が解説!】
パーキンソン病とは
パーキンソン病とは難病にも指定されている、振戦(ふるえ)、動作緩慢、筋強剛(筋固縮)、姿勢保持障害(転びやすいこと)を主な運動症状とする病気で、50歳以上で起こることが多い病気です。まれに40歳以下で起こる方もあり、若年性パーキンソン病と呼んでいます。
10万人に100人~180人くらいです(1000人に1人~1.8人)。65歳以上では100人に約1人(10万人に1000人)で、高齢者では多くなりますので、人口の高齢化に伴い患者さんは増加しています。
主な症状としては振戦(ふるえ)、動作緩慢、筋強剛(筋固縮)、姿勢保持障害(ころびやすいこと)などがあります。
ふるえは静止時の振戦で例えば手の場合、椅子に座って膝に置いている時や歩いているときなど力を入れていない時に起こります。動かすとふるえは小さくなります。
筋強剛は自分ではあまり感じませんが、他人が手や足、頭部を動かすと感じる抵抗を指しています。動作緩慢は動きが遅くなることで、同時に細かい動作がしにくくなります。最初の一歩が踏み出しにくくなる「すくみ」が起こることもあります。
姿勢保持障害はバランスが悪くなり転倒しやすくなることです。姿勢保持障害は病気が始まって数年してから起こります。
最初から起こることは無く、病気が始まって2年以内に姿勢保持障害が起こるときには、進行性核上性麻痺などの パーキンソン症候群 の可能性があります。運動症状のほかには、便秘や頻尿、発汗、易疲労性(疲れやすいこと)、嗅覚の低下、 起立性低血圧 (立ちくらみ)、気分が晴れない(うつ)、興味が薄れたり意欲が低下する(アパシー)などの症状も起こることがあり、非運動症状と呼んでいます。
(参考:「難病情報センター パーキンソン病(指定難病6)」)
パーキンソン病で障害年金はもらえる?
パーキンソン病で障害年金をもらうことはできます。
パーキンソン病は障害年金の制度上では肢体障害として扱われます。
肢体障害は障害年金の受給対象となっているため、障害年金の申請が可能です。
パーキンソン病で障害年金はいつまでもらえる?
障害年金を申請できるのは手足のしびれや、動きが鈍るなどパーキンソン病初期症状で病院を受診(初診日)してから1年6ヵ月が経過したタイミングとなります。
たとえ、初期症状の段階でパーキンソン病と診断されなかったとしても、後々、因果関係が認められれば初期症状で病院を受診した日が初診日となります。
ですが、障害年金は原則、65歳以上に支給されないため、初診日が65歳の誕生日以前にない場合、申請はできません。
例外的に、65歳の誕生日以前に初診日があり、現在の年齢が70歳までであれば、遡及請求を行うことで、過去最大5年分の障害年金を受け取ることができます。
パーキンソン病は高齢になってから、発病することが多いため、初診日と年齢が障害年金の申請に非常に重要となります。
障害年金とは?
障害年金とは、病気やケガなどで、日常生活に支障があったり、今まで通りに働くことが難しくなった場合などに、一定の条件を満たしていればもらうことができる公的な制度です。
視覚・聴覚・手足の不自由だけでなく、がんや高血圧、糖尿病による合併症や心疾患、うつや統合失調症などの精神疾患など、数多くの病気やケガが対象とされています。
ですが、障害年金受給するためにいくつかポイントがございますので、ぜひ最後までご覧ください。
肢体障害の障害認定基準
障害年金には1級から3級の認定基準があります。
1級の症状が一番重く、3級は厚生年金制度に加入している方のみが該当します。
まずは肢体障害の症状が認定基準に該当しているかを確認しましょう。
等級 | 障害の状態 |
1級 | 身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの |
2級 | 身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの |
3級 | 身体の機能に、労働が著しい制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの |
・現症のみでなく、症状の経過およびそれによる日常生活活動などの状態が考慮されます。
肢体障害で障害年金を受け取るためのポイント
医師の診断と治療歴の重要性
まず第一に、肢体障害の診断は専門医によって行われます。脳神経内科等の専門医の診断が障害年金申請に不可欠です。
また、治療歴も重要です。定期的な通院や処方された薬の服用歴が障害の程度を客観的に証明する上で重要です。
日常生活への影響の程度
障害年金の受給を希望する場合、肢体障害が日常生活に及ぼす影響が大きなポイントとなります。
仕事や家事、日常生活などに支障が生じている場合、それが障害年金の受給を支援する要因となります。
この点は具体的な事例や証言をまとめることで、申請の際に有利に働きます。
「ウェアリング・オフ現象」「オン・オフ現象」が重要視されます
パーキンソン病での障害年金の審査の際に重要視されるのが「ウェアリング・オフ現象」と「オン・オフ現象」です。
ウェアリング・オフ現象とは、パーキンソン病のお薬が効いている時間(オンの時間)がだんだんと短くなってしまう現象です。
このウェアリング・オフ現象は、お薬を飲みはじめてから5年くらいになるとと約半分近くの方にあらわられる症状と言われています。
このような「ウェアリング・オフ現象」や、より悪化した状態と考えられている「オン・オフ現象」が起きているなど、パーキンソン病の症状が薬でコントロールできない状態になっている場合には障害年金を受給出来る可能性が高いです。
一方で、お薬でコントロールでできているうちは支給対象になりずらい傾向があります。
パーキンソン病のほかに障害があるかご確認ください
パーキンソン病はなどの肢体障害は、それまでにできていたことができなくなったり、日常生活の行動範囲が極端に狭くなるなど、ストレスを抱えることが多々あります。
そのため、うつ病といった精神疾患を併発していることもあります。
医師の診断書の内容にもよりますが、2級に該当するような精神疾患などの障害がある場合は、その他の傷病も併せて申請することで障害年金等級が上がることもあります。
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障害年金は障害をもつ方にとって、経済的な補助を得られる、非常に重要な制度です。
一方で、申請までの手続きや必要な書類はとても複雑でわかりにくい制度でもあります。
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