障害年金の等級見直しはなぜ?受給額の変化と再認定手続きを解説

障害年金を受給している方々にとって、自身の症状や生活状況の変化が、受給している年金の額や継続にどのような影響をもたらすのかは、常に大きな関心事であり、時に不安の種となることでしょう。 現在享受している年金がこの先も変わらず支給され続けるのか、あるいは症状の改善や悪化によって等級が見直され、その結果として受給額が増減したり、最悪の場合には支給が停止されたりする可能性はないのか、といった様々な疑問が頭をよぎるかもしれません。 障害年金制度は、一度認定を受ければ永久に同じ条件で支給され続けるというものではなく、受給者の状況に応じて定期的に、または必要に応じて見直しが行われる仕組みが組み込まれています。 今回は、障害年金の等級見直しに関する制度の全体像を深く掘り下げ、そのメカニズムから具体的な影響、そして必要な手続きの詳細まで、網羅的に解説していきます。

障害年金の等級見直しはなぜ行われるのか?

症状の変化が主な理由

障害年金の等級見直しが実施される最も根源的な理由は、受給者の障害の状態が時間とともに変化する可能性を考慮するためです。 医学的な治療の進歩やリハビリテーションの効果によって症状が改善し、以前よりも日常生活上の制限が軽減される場合もあれば、逆に病状が悪化し、より重篤な状態に至ることで支援の必要性が高まる場合もあり、その都度、現行の等級が受給者の実態に合致しているかを確認する必要が生じるのです。

定期的な診断書提出が義務

障害年金には「有期認定」という制度があり、受給者は原則として1年から5年ごとに、自身の障害の状態を証明する診断書を日本年金機構に提出することが義務付けられています 。 この診断書は、受給資格の継続を確認するだけでなく、障害の状態が以前の認定時と比較してどのように変化しているかを審査するための重要な資料となり、この審査の結果、現在の障害等級が適切であるかどうかの見直しが行われます。

自身からの申請で見直しが行われるケース

障害年金の多くは「有期認定」とされ、1〜5年程度の期間ごとに診断書(障害状態確認届)の提出が求められます。ただし、症状が長期間変わらないと見込まれる場合には「永久認定」とされ、以後の診断書提出や再認定手続きは不要になります。

定期的な再認定の時期を待たずとも、受給者自身の判断によって障害年金の等級見直しを申請できるケースも存在します。症状が前回の認定時より重くなった場合には、受給者自身が「額改定請求」を行い、等級の見直しを求めることができます。なお、症状が軽くなった場合は、本人から等級を下げる申請を行うことはできません。

等級変更で受給額はどう変わるのか?

等級が上がると増額される

障害年金の等級が上がった場合、それに伴って年金受給額は増額されます。 例えば、障害厚生年金3級の方が2級になると、障害基礎年金2級が併給されるため、一定の条件を満たす配偶者がいる場合には加給年金額が加算されることがあります。障害基礎年金でも2級から1級へと上がれば、基礎年金の額自体が増額するため、生活の維持に必要な経済的支援がより手厚くなることを期待できます 。

等級が下がると減額される

一方で、障害の状態が改善され、等級が下がった場合、年金受給額は減額されることになります。 例えば、障害厚生年金で2級から3級へ、あるいは障害基礎年金で1級から2級へと等級が変更された際には、年金額は減少するため、受給者は家計の見直しや他の支援制度の検討を行うなど、対応策を講じる必要が生じるでしょう 。

支給停止になるケースもある

障害の状態が大幅に改善し、支給停止には2つの種類があります。
① 障害状態が改善し、障害等級に該当しなくなった場合の「障害不該当による支給停止」
② 20歳前傷病にのみ適用される、所得制限による「所得による支給停止」
状況に応じていずれかが適用されます。

障害年金の再認定手続き

診断書提出が必須

障害年金の再認定手続きにおいて、最も重要な書類は、専門医によって作成された診断書です 。 この診断書には、現在の症状の具体的な内容、治療の経過、日常生活における動作能力や労働能力の制限の程度、そして将来の見込みなどが詳細かつ正確に記載されている必要があります。

再認定請求の手順

定期的な再認定の場合、日本年金機構から再認定時期が近づくと、診断書提出期限が記載された日本年金機構から「障害状態確認届(診断書)の提出依頼書」が送付されますので、指定された医師に診断書を作成してもらい、期日までに年金事務所等に提出します。 症状が悪化した場合は、受給者自らが「額改定請求書」を年金事務所等から入手し、医師に診断書を作成してもらうとともに、必要な添付書類を揃えて提出することで、審査を受けることができます。

審査結果の確認方法

提出された診断書に基づき、日本年金機構が障害状態を確認し、等級の見直し審査を行います。

審査が完了すると、その結果が記載された「年金決定通知書」や「支給額変更通知書」などが郵送されます。 通知書の内容に不服がある場合には、通知書を受け取った日の翌日から3ヶ月以内に、日本年金機構に対して「審査請求」を申し立てることが可能です 。

再認定手続きの注意点

再認定手続きを進める際には、診断書の作成を依頼する際に、自身の現在の症状や日常生活における具体的な困りごとを明確に医師に伝え、診断書に正確に反映してもらうことが非常に重要です 。 また、提出期限を厳守することはもちろんのこと、「病歴・就労状況等申立書」といった、自身の生活実態を詳細に記述する書類の作成も丁寧に行うことが大切です 。 必要であれば、障害年金専門の社会保険労務士などの専門家へ相談し、手続きのサポートを受けることも、スムーズかつ確実な再認定を目指す上で有効な選択肢となるでしょう 。

 

まとめ

障害年金の等級見直しは、受給者の症状の変化や定期的な再認定、あるいは受給者からの自主的な申請によって行われ、その結果として年金受給額が増減したり、場合によっては支給が停止されたりする可能性があるため、制度の仕組みを正しく理解し、適切な手続きを行うことが極めて重要です。 症状の改善や悪化は年金額に直接影響を及ぼし、特に定期的な診断書の提出は、受給資格の継続と等級の適切性を確認する上で不可欠な要素となります。 再認定手続きにおいては、医師による診断書の内容が審査結果に大きく影響するため、自身の症状や日常生活の状況を正確に医師に伝え、診断書に反映してもらうことが何よりも重要です。 もし審査結果に不服がある場合には、不服申し立て制度を活用することも可能であり、これらの手続きを円滑に進めるためには、期限の厳守や必要書類の丁寧な作成、そして必要に応じて専門家の助言を求めることが、自身の生活を守る上で極めて有効な手段となるでしょう。

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