てんかんで障害年金を受給するための手続きと受給額
てんかんと診断され、日常生活に支障が出ている方にとって、経済的な不安は大きな負担となります。 そんな中、障害年金制度は生活の支えとなる可能性を秘めています。
今回は、てんかんと障害年金に関する情報を提供し、申請を検討されている方にとって少しでも役立つ情報を提示できれば幸いです。
てんかんと障害年金
てんかんは障害年金を受給できるのか
てんかんは、脳の神経細胞の異常な活動によって発作が生じる神経疾患です。
発作そのものによる意識障害やけいれんのほか、発作後の強い疲労、記憶や注意力の低下など二次的な影響が日常生活に及びます。
障害年金は、病気やけがによって日常生活や就労に著しい制限が生じている場合に支給される公的な制度であり、てんかんも評価対象の疾患として扱われます。
ただし、単に「てんかんと診断されている」だけでは自動的に受給できるわけではなく、受給の可否は症状の重さ・頻度・日常生活への影響度合いなどを総合的に評価したうえで判断されます。
したがって、診断名に加えて具体的な発作の状況や生活への支障が示されていることが重要です。
日常生活に支障が出る程度の症状が必要
審査では、てんかんによる「発作の頻度」と「発作による精神神経症状および認知機能の状況」の二つの観点が評価されます。
- 発作の頻度: 治療を続けていても意識を失う発作が頻発し、仕事や通勤が難しい、単独での外出が危険などの状態が重視されます。
- 精神神経症状・認知機能: 発作そのものが減少していても、抗てんかん薬の副作用(強い眠気や注意力低下など)やてんかんに伴う認知機能障害が日常生活に大きく影響している場合には、それらも審査で考慮されます。
家事や就労に対する具体的な制限といった点が評価され、これらの制限が重ければ重いほど、障害年金の受給要件を満たす可能性が高くなります。
医師の診断書が極めて重要な判断材料となる
障害年金の申請にあたっては、主治医が作成する診断書が非常に重要です。
診断書には、てんかんの診断名、発作の種類と具体的な症状の記載、発作の頻度や日時、発作に伴う意識障害や回復に要する時間、治療歴、脳波や画像検査の所見などを、できる限り詳しく記載してもらう必要があります。
主治医には、普段の生活で困っていること(例:一人で外出できない、会話が続かない、家事や仕事に支障がある)をできるだけ具体的に伝えましょう。
正確で詳細な診断書が、申請の可否や障害等級の判断において極めて重要な役割を果たします。

てんかんの障害年金の手続きはどうすればいい?
必要な書類を集める
障害年金の手続きは、まず必要な書類を集めることから始まります。
特に診断書と、ご自身の病歴・日常生活の状況を記した病歴・就労状況等申立書は、申請の可否を大きく左右する重要な書類となるため、医師やご家族と連携して正確な情報を記載する必要があります。
申請書類を作成する
必要な書類が集まったら、申請書類を作成します。
申請書類は、年金事務所の窓口、または日本年金機構のウェブサイトからダウンロードして入手できます。
記入に不備があると審査に時間がかかったり、却下される可能性があるので、特に申立書には、発病から現在までの経緯と日常生活への具体的な支障を漏れなく、かつ詳しく記入することが重要です。
年金事務所に提出する
申請書類が完成したら、管轄の年金事務所に提出します。
提出方法は、窓口提出と審査には数か月かかることもあります。結果が出ると、決定通知とともに支給が始まります。

てんかんの障害年金の受給額は?
障害等級によって金額が変わる
障害年金の受給額は、障害の程度によって決まる障害等級によって異なります。
障害年金で支給される等級は、重い方から1級、2級、3級までです(障害基礎年金は1級・2級のみ、障害厚生年金は1級・2級・3級)。
てんかんの場合、発作の頻度や症状の程度、日常生活への影響などを総合的に考慮して障害等級が決定されます。
所得や扶養家族の人数による調整
受給額は、以下の状況によって調整が行われます。
- 所得制限について: 20歳前傷病による障害基礎年金は、所得が一定額を超えると一部または全額停止となります。一方、それ以外の障害年金には原則として所得制限はありません。
- 扶養家族による加算: 「子の加算」(障害基礎年金)や「配偶者加給年金」(障害厚生年金1級・2級)によって、受給額が増加します。
事前の相談で受給額の目安がわかる
ご自身の年金加入記録や、医師の診断書をもとに、年金事務所や社会保険労務士に相談すると、おおよその受給見込み額を確認できます。
これはあくまで概算ですが、申請前の生活設計に役立てることができます。
まとめ
てんかんによる障害年金申請は、医師の診断書が重要な役割を担い、日常生活への支障の程度が審査の大きなポイントとなります。
申請手続きは複雑であり、正確な書類を作成することが支給を左右します。
てんかんと障害年金に関するご不安やお悩みは、湘南・藤沢障害年金サポートまでお気軽にご相談ください。
無料相談をご活用いただき、適切な手続きで、生活の安定につながる受給を目指しましょう。


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