障害年金支給額を知りたい方へ等級別目安や加算額を解説
障害年金は、病気やケガによって働けなくなった際に支給される重要な制度です。
しかし、その支給額は障害の程度(等級)や加入している年金制度(国民年金・厚生年金)によって複雑に計算されるため、自身の状況における具体的な金額を把握することは容易ではありません。
今回は、障害年金の支給額に関する情報を、基礎年金と厚生年金の違いに焦点を当てて分かりやすく解説します。
障害年金の支給額の決まり方
基礎年金と厚生年金、等級による違い
障害年金には「障害基礎年金」と「障害厚生年金」の2種類があり、加入している年金制度や障害等級によって支給額の計算方法が大きく異なります。
| 年金の種類 | 主な対象者 | 障害等級 | 支給額の計算方法 |
| 障害基礎年金 | 国民年金加入者(自営業者など) | 1級・2級 | 定額(年間の支給額が決まっています) |
| 障害厚生年金 | 厚生年金加入者(会社員・公務員など) | 1級・2級・3級 | 報酬比例の額(給与や加入期間に応じて計算される額)+ 障害基礎年金(1級・2級の場合) |
障害基礎年金の支給額は、等級に応じて法律で定められた定額です。一方、障害厚生年金の支給額は、これまでの収入(標準報酬月額)や厚生年金の加入期間に応じて計算される「報酬比例の額」となります。
【障害等級別の支給額の目安(年額・本体)】
- 障害基礎年金1級: 満額の約1.25倍の定額(子の加算を除く)
- 障害基礎年金2級: 満額の定額(子の加算を除く)
- 障害厚生年金3級: 報酬比例の額(最低保証額が設けられています)
ご自身の年金加入期間や報酬額によって支給額が変動するのは、主に障害厚生年金の部分です。
障害年金の加算額(子の加算・配偶者加給年金)
障害年金には、扶養家族がいる場合に加算される制度があります。
1.子の加算(障害基礎年金が対象)
障害基礎年金(1級・2級)を受給している方で、以下の条件を満たす子がいる場合に加算されます。
- 18歳到達年度の末日(高校卒業相当)までの子
- 20歳未満で障害等級1級または2級の状態にある子
子の加算額は、子の人数によって定められた定額(年額)が支給されます。
2.配偶者加給年金(障害厚生年金が対象)
障害厚生年金(1級・2級)を受給している方で、生計を維持されている65歳未満の配偶者がいる場合に加算されます。
これらの加算額は、障害年金本体の額とは別に計算されます。ご自身の家族構成に変更があった場合は、速やかに年金事務所に届け出る必要があります。

障害年金支給額への影響要素は?
障害の程度(等級)と年金加入期間
障害年金の支給額に最も大きく影響するのは、障害等級と年金加入期間です。
- 障害等級: 1級が最も重く、支給額も高くなります。
- 年金加入期間/報酬額: 障害厚生年金の支給額は、これまでの給与や厚生年金の加入期間に応じて計算されるため、収入が多かった方や加入期間が長かった方は、障害厚生年金部分の支給額が高くなる傾向があります。
年齢による支給額の違いはない
老齢年金とは異なり、障害年金の支給額は、受給を開始した年齢によって増えたり減ったりすることはありません。支給額は上記の通り、等級や加入実績によって決まります。
ただし、若いうちに障害年金が認定されれば、その後長い期間にわたり受給できるため、「生涯にわたって受け取る合計額」は多くなるという側面はあります。
支給停止となる主な事由
障害年金は、以下の主な事由によって支給停止となる場合があります。
- 障害の状態の改善: 障害状態確認届(更新)の審査により、障害の程度が改善し、等級に該当しなくなった場合。
- 老齢年金の受給: 65歳以降、老齢年金と障害年金の両方の受給権がある場合、どちらか一方を選択する必要があります。
- 不正受給: 不正な手段により受給したことが判明した場合。
支給停止に関する詳細は、年金事務所に問い合わせる必要があります。

障害年金の支給額の計算方法は?
公的なシミュレーションと専門家への相談
障害年金の支給額は、個々の加入履歴や家族構成によって変動するため、正確な金額を把握するには、以下の方法があります。
- 年金事務所への相談: ご自身の年金記録に基づいて、最も正確な概算額を確認できます。
- 日本年金機構のシミュレーションツール: 概算を把握するために活用できますが、あくまで目安であることに注意が必要です。
複雑な計算や制度の適用条件については、専門家である**社会保険労務士(社労士)**に相談することが、最も確実な方法です。
まとめ
今回は、障害年金の支給額について、障害等級や基礎年金・厚生年金の違いに焦点を当てて解説しました。
支給額は多くの要素によって複雑に決定されるため、正確な金額を知るためには、ご自身の年金加入記録に基づいた確認が必要です。
障害年金の手続きは煩雑であり、ご自身の障害の程度を正しく診断書に反映させることが、適切な等級認定と支給額につながる鍵となります。
湘南・藤沢・平塚市周辺で障害年金に関するご不安やお悩みがある方は、湘南・藤沢障害年金サポートにご相談ください。無料相談を実施しておりますので、お気軽にお問い合わせください。


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