【社労士が解説】双極性障害で障害年金をお考えの方へ

双極性障害とは

双極性障害は気分が高まったり落ち込んだり、躁状態とうつ状態を繰り返す脳の病気です。激しい躁状態とうつ状態のある双極I型と、軽い躁的な状態(軽躁状態)とうつ状態のある双極Ⅱ型があります。

いつもよりも妙に活動的で周りの人から「何だかあの人らしくない」「元気すぎる」と思われるような軽い状態は、軽躁状態と呼ばれます。

一方、うつ状態では、一日中ゆううつな気分で、眠れなくなったり、または逆に眠りすぎたりします。大好きだった趣味やテレビ番組にも関心がなくなったり、食欲が低下し、おっくうで身体を動かすことができないといった症状もみられます。

実際に当事務所にご相談いただいた中には躁状態の時には金銭管理が全くできず、不必要なものであっても、お金をあればあるだけ使ってしまい、経済的に困窮されていたり、うつ状態の時には気分が落ち込み、外出ができない・お風呂に入ることもできず・食事もご自身で用意できないという方もいらっしゃいました。

世界的には、双極性障害はおよそ100人に1人がかかるといわれ、決して珍しい病気ではありません。
また、かかりやすさに男女差はなく、20代から30代前後に発症することが多いとされていますが、中学生から老年期まで、幅広い年齢で発症する病気です。

障害年金とは?

障害年金とは、病気やケガなどで、日常生活に支障があったり、今まで通りに働くことが難しくなった場合などに、一定の条件を満たしていればもらうことができる公的な制度です。

視覚・聴覚・手足の不自由だけでなく、がんや高血圧、糖尿病による合併症や心疾患、うつや統合失調症などの精神疾患など、数多くの病気やケガが対象とされています。

もちろん双極性障害も障害年金の対象傷病です。

ですが、障害年金受給するためにいくつかポイントがございますので、ぜひ最後までご覧ください。

双極性障害の障害認定基準

障害年金には1級から3級の認定基準があります。

1級の症状が一番重く、3級は厚生年金制度に加入している方のみが該当します。

まずは双極性障害の症状が認定基準に該当しているかを確認しましょう。

等級 障害の状態
1級 双極性障害があり、食事や身のまわりのことを行うのに全面的な援助が必要であって、かつ、会話による意思の疎通が不可能か著しく困難であるため、日常生活が困難で常時援助を必要とするもの
2級 双極性障害があり、食事や身のまわりのことなどの基本的な行為を行うのに援助が必要であって、かつ、会話による意思の疎通が簡単なものに限られるため、日常生活にあたって援助が必要なもの
3級 双極性障害があり、労働が著しい制限を受けるもの

 

現症のみでなく、症状の経過およびそれによる日常生活活動などの状態が考慮されます。

・労働に従事している場合でも、そのことをもって直ちに日常生活能力が向上したと捉えず、仕事の種類、内容、就労状況、職場で受けている援助の内容、職場での意思疎通の状況などを確認したうえで、日常生活能力が判断されます。

 

日常生活能力の判定

障害年金の診断書では、双極性障害による日常生活能力への影響を次の7つの項目で医師が判定します。

判定項目 内容
適切な食事 ・配ぜんと片付けも含めて3度の食事をバランスよく摂れるか
身辺の清潔保持 ・洗面、洗髪、入浴等の身体の衛生保持や着替え等ができるか
・自室の清掃や片付けができるか
金銭管理と買い物 ・金銭を独力で適切に管理し、やりくりがほぼできるか
・一人で買い物が可能であり、計画的な買い物がほぼできるか
通院と服薬 ・規則的に通院や服薬を行い、病状等を主治医に伝えることができるか
他人との意思伝達及び対人関係 ・他人の話を聞く、自分の意思を相手に伝える、集団的行動が行えるか
身辺の安全保持及び危機対応 ・事故等の危険から身を守る能力があるか
・通常と異なる事態となった時に他人に援助を求めるなどを含めて、適正に対応することができるか
社会性 ・銀行での金銭の出し入れや公共施設等の利用が一人で可能か
・社会生活に必要な手続が行えるか

 

双極性障害で障害年金を受け取るためのポイント

医師の診断と治療歴の重要性

まず第一に、双極性障害の診断は専門医によって行われます。精神科医や心療内科の専門医の診断が障害年金申請に不可欠です。また、治療歴も重要です。定期的な通院や処方された薬の服用歴が障害の程度を客観的に証明する上で重要です。

双極性障害の方は特に、受診をされていないケースが多いため一度受診されることをおすすめいたします。

受診されてない場合でも療育手帳の診断書等から受給が認められる可能性もあるため、是非当事務所にご相談ください。

 

日常生活への影響の程度

双極性障害は障害年金の支給・不支給を判断するにあたって他の傷病よりも日常生活への影響の程度が非常に重視されます。

特に双極性障害の影響で

給料が振り込まれると皆におごってしまって1日で給与を使い果たしてしまうなど金銭管理が全くできない

必要なものを考えて買い物などができず、そもそも外出もできないために一人では食事がとれない

お風呂に入る気力が湧かず、家事ができないために掃除もままならず、ごみ屋敷状態になってしまっている

コミュニケーションをうまくとることができず、お仕事ができない・続かない

といった日常生活への支障が生じていると障害年金を受け取れる可能性が高いです。

障害年金の受給を希望する場合、双極性障害が日常生活に及ぼす影響が大きなポイントとなります。仕事や家事、人間関係に支障が生じている場合、それが障害年金の受給を支援する要因となります。この点は具体的な事例や証言をまとめることで、申請の際に有利に働きます。

就労中でも受給可能です

就労されている方は障害年金の受給が難しいと言われていますが、職場で配慮を受けている状況などポイントをまとめることで受給確率を高めることが可能です。

 

 

 

 

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ここまでご覧いただきありがとうございました。
うつ病での障害年金申請のポイントは以上です。
障害年金の申請に少しでも不安がある方は専門家への相談がおすすめです。
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