【高次脳機能障害】障害厚生年金3級(事後重症)の受給事例|脳梗塞の発症から数年後に高次脳機能障害が顕在化し職場での配慮を受けながら受給に至った40代男性のケース
年代:40代
性別:男性
傷病名:高次脳機能障害(脳梗塞後遺症)
年金の種類:障害厚生年金
等級:3級(事後重症)
相談時の状況
機械設計エンジニアとして勤務されていた40代男性の相談者様は、数年前に軽度の脳梗塞を発症されました。当時は歩行障害や言語障害といった目立った後遺症が見られず、退院後はそのまま職場へ復帰し、従前通りの通常業務を続けていらっしゃいました。その後、ご家族で関西から関東へ引っ越し、転勤という生活環境の変化も経験されました。
しかし、発症から数年が経過する中で、次第に新しい記憶の定着が難しくなり、仕事上の重要な約束や予定を忘れてしまうことが目立つようになりました。さらに注意力が長続きせず、複数の設計作業を並行して進めようとすると集中が切れてミスが多発。職場からは業務量の削減や負担の少ない部署への配置転換といった配慮を受けておられました。
出勤に日々の体力を使い果たすため帰宅後は激しく消耗し、家事や身の回りのことがほとんどできない毎日が続いておられました。共働きで小学生のお子様を育てる奥様のご負担は非常に大きく、一人での外出時に道に迷うリスクもあるため、ご家族による見守りと声かけが不可欠な状態でした。「出勤して働けてはいるものの仕事上の限界を感じている」「発症から時間が経って出てきた症状でも障害年金の対象になるのか」とお悩みになり、奥様とともに当事務所へご相談にお越しになりました。
申請におけるポイントと当事務所のサポート
1. 発症から高次脳機能障害が顕在化するまでの経過を時系列で整理
軽度の脳梗塞発症時には目立った症状がなかったものの、復職後の業務負荷や環境変化に伴って記憶障害・注意障害が顕在化した経過を丁寧にお伺いしました。「発症後、数年をかけて徐々に症状が表面化した」という客観的な変化のプロセスを時系列に整理し、現在の実態を正確に捉えました。
2. 「就労は可能だが大幅な制限がある実態」を主治医へ正確に共有
職場での業務量軽減や配置転換の配慮、ミスの多発による業務中断、帰宅後の著しい疲労と家庭内での見守りの必要性をまとめた参考資料を作成いたしました。受診時に主治医へお渡しいただいたことで、医師の適切な医学的見解のもと、「認知機能の低下」や「社会的行動の制限」が反映された1通の診断書(現在の症状を表す診断書)の作成につなげることができました。
3. 就労制限とご家族の支援実態を伝える申立書の作成と手続き負担の軽減
「働けてはいるが、職場の特別な配慮とご家族の手厚い生活支援があって初めて雇用が維持されている」という実態を「病歴・就労状況等申立書」へ詳細に記載いたしました。主治医の診断書と申立書の記載内容を整合させ、書類作成から年金事務所への提出まで一貫してサポートすることで、仕事と家庭の両立で多忙を極めるご本人と奥様の負担を極限まで軽減いたしました。
結果
本件は、障害認定日(初診日から1年6ヶ月経過時)時点では症状が軽微で認定基準を満たしていなかったため、その後に病状が悪化して障害等級に該当した現在から受給権が発生する「事後重症請求」として手続きを行いました。
提出した書類に基づき日本年金機構にて客観的な審査が行われ、発症後の病状変化と「就労は可能であるが労働に著しい制限を受ける状態」が適切に評価された結果、無事に障害厚生年金3級(事後重症)の受給が決定いたしました。
支給決定を受けたご本人と奥様からは、「働いているから無理だろうと半分諦めていましたが、仕事上の限界や家庭での大変さを丁寧に汲み取って手続きを進めていただき本当に救われました。将来への不安が和らぎ、気持ちにゆとりができました」と、安堵の表情でお話しいただきました。
確かな経済的支えが得られたことで、ご本人は現在、職場やご家族の理解・支援を受けながら無理のないペースで勤務を続けられ、体調の安定とご家庭の生活を最優先にした穏やかな日々を送られていらっしゃいます。


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