【発達障害(ASD・ADHD)・うつ病】障害厚生年金2級の受給事例|小児期の受診歴を経て社会的治癒が認められ受給に至った30代男性のケース

年代:30代

性別:男性

傷病名:発達障害(ASD・ADHD)、うつ病

年金の種類:障害厚生年金

等級:2級

相談時の状況

会社員として勤めておられた30代男性の相談者様は、発達障害(ASD・ADHD)の特性による仕事上の不注意やミスの頻発、段取りの難しさに長年悩まされておられました。職場での対人関係にも強い苦痛を感じて孤立し、過度なストレスから二次障害である重いうつ状態を発症。欠勤や遅刻が増加し、休職と復職を繰り返すうちに退職を検討せざるを得ない状況へ追い詰められておられました。

日常でも家事や身の回りの整理が滞り、同居のご家族による手厚い生活支援なしには過ごせない状態でした。しかし、申請にあたって大きな障壁となったのが「初診日」の特定です。相談者様には小学生の時に発達障害の疑いで小児科を受診した過去がありました。もしこの時点が初診日と判断されると「20歳前障害による障害基礎年金」の扱いとなり、会社員時代に加入していた障害厚生年金の対象から外れてしまう可能性がありました。

しかし小学生時の受診後は症状が落ち着き、長年にわたり医療機関を通院することなく普通学校を通学・卒業し、自立して社会人として就労していた「社会的治癒」の期間が存在していました。「過去に受診歴があると厚生年金での申請は不可能なのか」「複雑な初診日の証明と、現在の体調不良の中で自力で手続きを進める気力がない」とお悩みになり、ご家族を伴って当事務所へご相談にお越しになりました。

申請におけるポイントと当事務所のサポート

1. 医療中断期間を捉えた「社会的治癒」の論理的立証

小学生時の受診後、長期間にわたり医療中断があり、通常の学校生活や企業での就労を問題なく継続できていた客観的事実を丁寧にお伺いしました。過去の受診と現在の病状が医学的・社会的に断絶している「社会的治癒」が成立していることを整理し、社会人として厚生年金加入中に二次障害を発症して再受診した日を「初診日」として主張する方針を立てました。

2. 「発達特性 × 精神症状」による就労・生活制限を主治医へ正確に共有

職場での不注意ミス、対人面での孤立、頻繁な欠勤・早退などの客観的記録を作成。診察室の短時間の問診では把握しにくい労働能力の著しい制限や、家庭内でのご家族の援助の必要性について主治医へ情報共有を行い、医師の適切な医学的見解のもと、実態に即した診断書の作成につなげることができました。

3. 初診日の正当性を伝える申立書の作成と手続き負担の軽減

幼少期からの経過、医療中断期間の生活・就労状況、そして社会人後に再発してからご家族の支援なしには生活が成り立たない実態を「病歴・就労状況等申立書」へ論理的に記載いたしました。初診日の整合性を厳密に精査した上で年金事務所への提出まで一貫してサポートし、ご本人とご家族の不安と手続き負担を極限まで軽減いたしました。

結果

提出した書類に基づき日本年金機構にて慎重な審査が行われた結果、主張通り社会人以降の受診日が「初診日(厚生年金加入中)」として認められ、発達障害の特性と精神症状の併存による著しい就労・日常生活の制限が適切に評価されて、無事に障害厚生年金2級の受給が決定いたしました。

支給決定を受けたご本人からは、「昔病院に行ったことがあったので『厚生年金での申請は無理かもしれない』と諦めかけていましたが、過去の経過や現在の辛さを丁寧に汲み取って手続きを進めていただき本当に救われました。これで焦らず治療に専念できます」と、安堵の表情でお話しいただきました。

確かな経済的支えを得られたことで、ご本人は現在、ご家族の温かい支援のもとで体調回復を最優先にした穏やかな療養生活を送られていらっしゃいます。

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